シンガーソングライターでボイストレーナーの岡部真由美です。
しゃべっている声は普通なのに、歌を歌うと高い声が出ず、低い声しか出ない人がいます。
また、生まれつきずっと声が低くて、しゃべっている声も歌声も低いという女性もいますね。
声帯のカタチは人それぞれ違うので、持って生まれた声帯によって、声は違ってきます。
骨格や体型にも関係しています。
私は20歳のころ、ジャズシンガーのアニタ・オデイやヘレン・メリルにあこがれていたので、
低い声やハスキーな声の持ち主が、とてもうらやましかったです。
カーペンターズのボーカル、ヘレン・カーペンターも低音が魅力です。
私のように、自分の声を好きになれずに、もっと別の、誰かのような声になりたい~!
と思ってしまう人は多いです。
そして一人一人、違う悩みがぜったいあります。
「となりの芝生は青い」 (自分のものより、
誰もが、たぶんそう思っています。
しかし、骨格や体格、声帯などは楽器と同じですから、自分の楽器はこういう特徴なんだな!
と、ポジティブに受け止めましょう。
どんなにがんばっても、高い声が出ないという人も中には存在します。
逆に、低い声が出ないという人もいますが、それはまた別の記事でお話ししますね。
低い声の持ち主のみなさん!!低音はすばらしい魅力がありますよ。
落ち着いていて、まろやかで、深い声の持ち主は、バラードやジャズの曲がとても似合いますよね。
今回は、生まれつき声の低い人の歌い方、曲の選び方などを解説します。
声も楽器も同じ。いろんな声があるからすばらしい!
ヴァイオリンと、ヴィオラと、チェロ、そしてコントラバスという楽器の種類はご存知ですか?
ヴァイオリンはご存知ですよね?
ヴィオラはヴァイオリンより少し大きく、低い音を奏でます。
またチェロは、ヴィオラよりもさらに低い音を奏でます。
チェロよりも低い楽器はコントラバスという楽器で、こちらはが一番低い音を奏でます。
楽器が大きくなるにつれて、低く太い音になっていくのです。
オーケストラでそれぞれの楽器が合わさったときに、素晴らしいハーモニーが生まれます。
声も同じですね。
学生時代に合唱、経験しましたか?
女性だと、高い声のソプラノと低い声のアルトに分かれましたね。
一般的に、ソプラノの声の方が得意という方が多いようです。
アルトは少数派みたいですね。
だいたい、ソプラノがメロディーパートになっていることが多いので、
アルトに担当させられたあなたは、むずかしいアルトの音程を取るのに苦労したかもしれませんね。
メロディーの下の音程をハモるのって、とてもむずかしいです。
美しいメロディーじゃないこともあるし、安定して歌うのはとても集中力が必要です。
しかし、その美しいソプラノのメロディーを引き立たせるのが、アルトの役割です。
アルトの声があるからこそ、音が重厚に、ふくよかに、感動的になっていくのです。
先ほど紹介したヴァイオリンなどの弦楽器、生で聴ける機会がありましたらぜひ、
聴き比べてください。
どの楽器も本当に魅力的な音です。
どれが一番いい!なんて言えないほど、それぞれがすばらしい音なんです。
それぞれ楽器の特徴があって、響く場所が違って、聴く人を別世界へ連れていきます。
自分はヴィオラなんだな、チェロなんだな、と自覚してよ~く観察してみてください。
気付かなかった自分の長所がどんどん見つかりませんか?
低音の声の女性はとてもセクシーですよね。
自分の声を好きになりましょう。私もそうしました。
そして、どうすれば生かしていけるかを一緒に考えましょうね。
低い声を生かすには、チェストボイスで響かせる
チェストボイスという言葉を聞いたことがありますか?
ちょうど胸のあたり、肋骨(ろっこつ)に声をしっかり響かせて出す声のことです。
低い声というのは「のど」から下、鎖骨(さこつ)や肋骨(ろっこつ)に響きます。
そして、その響きを十分に発揮した歌い方が「チェストボイス」と呼ばれているのです。
ですから、声の低い女性はこの「チェストボイス」をしっかり鍛えて、
人のハートに直接、ドキューンと印象付けるような声で、表現してほしいです。
ちなみに高い声が響くのは、上の前歯から上の方の、鼻やおでこなんです。
ハミングをすると、響いている場所が変化するのを感じると思います。
声の響かせ方を自分でも工夫して、声を磨いていってくださいね。
ジャズボーカルは高い声で歌ってはいけない!?
ジャズボーカルをしっかり勉強したいと思い、数年前から中本マリさんに歌を習っています。
ジャズの曲のメロディーは、とても半音で動く音程だったり、低い音から高い音まで音域が広かったりと、
むずかしい曲が多くて、自分の声で歌いこなすのが大変なんです。
私が今まで歌ってきたR&Bの曲のように、「力を入れて、パワフルに歌う」というような歌い方はしません。
別記事でこのあたりのことは説明しますが、
低い音から高い音まで、一定のボルテージで歌うことが大切なんです。
ですから、低い声も語るようにふわっと、高い声も張ってパワフルにしちゃいけないんです。
私は低い声があまり出ないので、低音を自分の音域に合わすと、サビなどの高音がとても高くなってしまうんですよね。
中本マリ先生に、「何ピーチクパーチク歌ってるの?」とダメ出しされました。
ジャズは高い声で歌ってはダメなんです。
それは、ピアノやウッドベースなどの「アコースティック楽器」の演奏と共に歌うので、
混じり具合が高い声だとよくないんです。
ですから、低い声の女性のみなさんにはぜひ、ジャズボーカルを練習してほしいです。
ぜったいぜったい、ぴったりハマりますから!!
中本マリさんのような低音の魅力があり、低いキーでジャズが歌えたら素敵です。
私のあこがれです。
あなたのような声の方にはぜひ、ジャズボーカルのレッスンをオススメいたしますよ。
声の低い女性は、カラオケで何を歌えばいい?
結論を申しますと、「好きな曲を歌ってください!」 です。
でも、自分の声にぴったりなキーをしっかり確認して見つけてくださいね。
自分にピッタリなキーを決めるのは、とてもむずかしいです。
私がレッスンしている生徒さんたちも、その曲をレッスンする間に何度も変えることがあります。
サビの一番いいところ、聴かせどころを一番魅力的ないい声で表現したいからです。
地声と裏声が混ざった方がいいかもしれないし、全部地声で歌った方がいいかもしれない。
そこは人それぞれ、好みもあると思いますが、
第三者に聴いてもらって、意見を聞いたり判断してもらうのもいいですよ。
やはり、お客さんがあなたの歌を聴いて「気持ちいい歌だな、、、」と感じてもらうことがとても大事なんです。
どれぐらい下げるか、男性の曲だったら反対にキーを上げることもあります。
ですから、じっくりと時間のあるときに、カラオケで歌っているときと同じぐらいのボリュームで歌ってみて、
自分のキーを判断して決めましょう。
すでにボイストレーニングやボーカルスクールに通っている方は、
先生と相談して、じっくり決めてくださいね。
キーを下げることをためらったり、恥ずかしがったり、負けた!と思ったりしないでください。
一番最初にお話したように、みんな骨格も体格も声帯もそれぞれ違う、別の楽器なんです。
あなたらしく、あなたの楽器(声帯)が一番いい感じのところで歌えるように、
キーを選び、練習しましょう。
キーを大幅に下げたり、上げたりすると、もはや原曲のイメージが湧かないぐらい、別曲になっている可能性もありますが、受け入れましょう。
「自分の個性☆」と認めて、大事にしてください。
そして声だけではなく、そのほかのことも誰かと比べて落ち込んでしまわないように、
もう自分の個性のすべてを受け止め受け入れてくださいね。
まとめ
骨格や体格、声帯によって、誰もがみんな声が違うことを受け入れる。
声の低い女性の歌はとても魅力的である。
楽器も大きさによって音の違いがあるヴァイオリンや管楽器など、それらの楽器の生演奏があるときは、しっかり集中して聴く。
音の違いに納得できたら、あなたも自分の声を好きになって、もっと磨いていこう!という意欲が湧いてくるでしょう。
低い声の女性はとても魅力的です。貴重な存在なんですよ。しっかり自覚してくださいね。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。