ウィスパーの意味とは?歌がうまくなるウィスパーボイス練習法

発声時の声帯 ボイトレ

シンガーソングライターでボイストレーナーの岡部真由美です。

 

ウィスパーボイスって知ってますか?

ウィスパー(Whisper)は英語で、ささやく、ひそひそ話をする、こっそり話す、、、

という意味があります。

耳元でささやくようにして歌う歌唱法を、ウィスパーヴォイス(Whisper Voice)と呼びます。

地声でしっかり歌うのとはまた違う、息をたっぷり含んだ声を使います。

しかし、息が漏れる歌い方になるので、お腹の力が必要になるんですよ。

腹式呼吸でしっかりお腹を支えなければいけません。

ウィスパーボイスの練習は、あなたの歌の表現力を高めてくれますよ。

今回はウィスパーヴォイスについて、説明したいと思います。

 

ウィスパーヴォイスの出し方

ウィスパーヴォイスを出すときの声帯の状態を説明します。

まず、息を吸っているときは声帯のひだが開き、声門裂(せいもんれつ)が開いています。

呼吸しているときは、真ん中の黒い部分「気管」から空気が出たり入ったりしています。

 

しかし、声を出すときは声帯のひだが引っ張られて、声門裂(せいもんれつ)が締まります。

声門裂が締まることで、声帯のひだが振動するので、声が出ます。

声門裂がしっかり締まっているからこそ、しっかりした地声が出るのです。

ウィスパーヴォイスの発声時は、この声帯のひだがゆるまり、呼吸している時のように、

声門裂が開いた状態で声を出します。

なので、息がもれたまま、息といっしょに声が出ている状態です。

耳元でひそひそ話をするように、小さな声で歌ってみてください。

自然と息がまじって、ささやくような歌い方になっていますか?

バラードや、アコースティックな静かな曲を歌うときなどには、

とても有効な歌い方で、切ない感情を表現するのにぴったりな歌い方です。

小さな声でウィスパーヴォイスが出た方も、この歌い方で一曲歌うのは結構大変です。

まず、息がもれるので、息がなかなか続かないんですね。

ですからしっかりと、「腹式の呼吸法」でお腹に空気を取り込んで、歌う練習を行いましょう。

ロングトーン(4小節間)声を出しながら、お腹に力を入れていきます。

この時、地声ではなく、裏声(ファルセット)を出すようにします。

空気がなくなって、声が出なくなっても息を吸わないように!!

4小節の4拍目でブレス(息を吸う)するまで、お腹の力はゆるめないでください。

下腹がギューッとへっこんで、もう息を出すことができなくなったところで、

一気にまた空気を下腹に吸い込みます。

これはすばらしい、腹式呼吸のトレーニングになりますので、

根気よく続けましょう。

この裏声ロングトーン発声練習をすれば、腹式呼吸で使う筋肉も鍛えられます。

 

裏声と地声を交互に出す練習

ウィスパーヴォイスだけで構成されている曲はというと、手嶌葵(てしま・あおい)さんでしょうか。

息がもれていてふわ~とやさしく聞こえてきます。

しかし、手嶌葵さんもところどころで強い地声でも歌っています。

 

DAOKOさんという歌手も「ウィスパーヴォイスが魅力」と言われています。

ささやくように歌いながらも、力強さを感じます。

 

さまざまな「ささやき系」の歌手がいますが、

やはり、歌詞やメロディーによって、ウィスパーヴォイスで表現したり、地声で歌ったりと、

両方の歌唱法が必要です。

その変わり目がとても大事だし、むずかしいところなんですよね。

頭で考えるとなかなかむずかしくなってしまうので、

ここは何度も歌って、身体で感覚で身につけるようにした方がいいです。

ささやくように小さく歌う「ウィスパーヴォイス」でも、歌詞がしっかり聞き取れるように、

滑舌(かつぜつ)も、非常に大切です。

歌の表現力としては、綾香さんが歌う三日月のように、

やさしくウィスパーヴォイスで歌う部分と、地声で強く歌う部分を

スムーズに、なめらかに、表現できたらすばらしいですね。

それには、「裏声を出したあとそのまま地声に変化させて、また裏声に戻す」

という練習法が有効ですよ。

声帯のひだを開けたり、閉めたりするので、声門裂(せいもんれつ)の筋肉が鍛えられます。

この筋肉がしっかり動くようになると、裏声から地声への変化もスムーズによりなめらかになっていきます。

普段、地声で出している低い声も裏声でまずは出してみてください。

声帯について、自分の目では見えない部分なので、なかなか理解がむずかしいかもしれませんが、

声門裂(せいもんれつ)が閉まっているときの「地声」と、開いているときの「裏声」の、

自分の声の違いや、のどの感覚を手のひらで触って、響きを感じながら、確認してみてくださいね。

今まで、自然とやっていたことも、どういう仕組みで、どうなっているのかということを理解して、

自分の意思で違いを表現できるようになることが大切です。

ウィスパーヴォイスを手に入れて、やさしく切ない歌を表現してくださいね。

 

まとめ

まずは自分の好きな歌手を真似てみると、ウィスパーヴォイスの出し方がわかるでしょう。

頭で考えるよりも、声を真似てみることで、音から声の出し方を探ってみましょう。

息をたくさんふくんだ、ささやくように歌う「ウィスパーヴォイス」の歌唱法は、

あなたの歌の魅力をアップさせてくれます。

女性なら、チャーミングに色っぽく、切ないイメージが表現できるでしょう。

男性も色っぽさや、切なさが声から、歌から、伝えることができるでしょう。

強く大きく歌うだけが表現ではありません。

小さく、やさしく歌えるように、声帯の筋肉を鍛えてスムーズな動きを手に入れてくださいね。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

 

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