シンガーソングライターでボイストレーナーの岡部真由美です。
男性のファルセット(裏声)って、とても魅力的ですよね。
やさしくて、甘くて、色っぽくて、私は大好きです。
ロックな歌手ではなくて、R&Bなシンガーに多いですよね。
代表的なファルセットの男性ボーカルといえばこの方、
マイケル・ジャクソン
この方も代表的存在、アースウィンド & ファイアー というグループのボーカル、フィリップ・ベイリー。
他にはモータウンレコード第一号の、スモーキー・ロビンソンも。
こちらもファルセットヴォイスで有名な、アイズレー・ブラザース
同じ曲を女性が歌うと、、、↓
ファレルはソフトな地声とファルセットがつながって気持ちいいシンガー。
たくさんの黒人男性シンガーがファルセットヴォイスで表現しています。
日本だと、ASTUSHIさんや平井堅さんなどが裏声で甘くて切ない歌を歌っていますね。
今回は男性が使う「ファルセットの魅力」について、お伝えしたいと思います。
なぜ黒人R&Bシンガーはファルセットで歌うのか
世の中には、さまざまな曲が存在します。
ジャンルも、クラシック、オペラ、ロック、ブルース、カントリーミュージック、フォークソング、ソウルミュージック、ボサノバ、サンバ、テクノ、ディスコなど?
まだまだ、世界中にはたくさんの曲の種類があると思います。
また国や民族性においてもそれぞれ、好きなジャンルがありますよね。
専門的なことはまた別の機会に掘り下げるとして、
日本やアジアの人のなかでもみんな、好きな音楽のジャンルがそれぞれたくさんあります。
年代によってもそれらは変化するかもしれませんね。
10代のころはパワーがみなぎるヘヴィーなロックが好みだったり、
20代になり、好きな人ができたり恋愛をしたら、少しロマンティックな曲が聴きたくなったりします。
また、朝聞きたくなる曲、昼や夜に聞きたくなる曲は、みんな違ったりします。
曲も、歌い方も、多様性があるからこそ、たくさんの人々が音楽を愛し、
自分のお気に入りのジャンルで、生活を楽しく彩ることができるんだな~と思います。
その中でも、アメリカのアフリカ系である、黒人R&Bシンガーは特に、
恋愛大好きロマンティスト集団だと私は思っています。
とにかく、色っぽいのが一番!という人たち。
女性に愛されるために、ソフトにやさしく語りかけ、気持ちを盛り上げていくんです。
曲の中で。
だから、吐息のような歌い方をしたりして、バラードは特にドラマティックに歌い上げていきますよね。
すごく古い時代1600年~1800年頃のイタリア歌手のなかには、「カストラート」という男性歌手がいたのをご存知ですか?
映像や内容もすばらしい、「映画」にもなっているので、ぜひご覧ください。
声変わりしない少年の声のままで、大人になってもボーイソプラノの高い声で歌う男性歌手のことです。
どうやって少年の声のままにするかわかりますか?、、、去勢するんですよ!怖いですね。
ファルセットヴォイスには、「若さ」の象徴もあると感じます。
男性は大人になると「声変わり」をしますね。
太くて低い声に変化して、身体もたくましくなっていきます。
大人の男性になっても、ファルセットの声で高く、美しく澄んだ声で歌えるということは、
少年の頃のような、ピュアで素直な雰囲気が伝わるのだと思います。
また、優しさとともに繊細さなども、聴いている人に伝わるような気がします。
あなたがロックよりR&Bが好きで、女性にモテたい!と思っているなら、
ぜひぜひ、ファルセットで自由に歌えるように練習してください。
裏声の甘いヴォイスでソフトに美しく歌えたら、女性たちの心はドキューンとわしづかみできるでしょう。
男性がファルセットで歌う曲は名曲がたくさんあるので、ぜひ練習してレパートリーにしてくださいね。
地声と裏声の違いを知って、発声の仕方を知る
普通に話している声のまま、のどに力を入れずに歌うのが地声の状態です。
地声は、声帯のひだが振動して、声が出ています。
裏声は、その声帯のひだの振動が停止していて、声帯のひだが引っ張られた状態です。
なので、裏声は地声よりも細い声になり、また高い声が出ます。
地声は、のどに力をいれずに発声できますが、
裏声を出すときは、のどに力が入るため、たくさん息を使うことになります。
オクターブで下の音は地声で「ホー」、上の音は裏声で「ホー」というスケールで、
声を出してみてください。
音階は下のファから上のファぐらいで。(男性の場合)/女性の場合は下のドから上のドのスケールで。
↑ 私にはキーが低いですが、男性のスケールで下のファ~上のファ~と繰り返し歌っています。
ゆっくりとオクターブの音を地声と裏声で繰り返し変化させて歌ってみてくださいね。
のどの力の入り方の違いや、声帯のひだの振動の違いなどが、自分でもわかると思います。
裏声の方が、お腹の力も必要ですよね。
ですから、ファルセット(裏声)の声を強くしようと思うと、
地声よりも力や息が必要なので、パワーがいります。
最初はなかなかのどのコントロールが難しいでしょう。
のどや首や肩に力を入れすぎないようにしてください。
リラックスした状態で、おへその辺りだけに力を入れて、腹式呼吸で練習しましょう。
「ハ~」や「オ~」でも歌ってみてくださいね。
地声と裏声の違いがはっきりと理解できたら、マスターするのも近いですよ。
日々の練習が、あなたの裏声を強く、気持ちよく響く、いい声に変化させていくでしょう。
ファルセットをマスターすれば、音域も広がり、歌える曲もグーンと増えますね。
しかし、この裏声練習法もやりすぎに注意です。
声帯を傷めないように、のどが痛くなったらすぐにストップしてくださいね。
ハミングで歌ってみる
口を閉めて、声を出してみてください。
口から声が出ないので、息が全部鼻の方へ行きますね。
鼻歌を歌う要領です。
軽く出しながら、音階を上へ上がって行ってください。
のどの声帯を使わないので、高い音階の音もスイスイ出てきていますか?
思いっきりハミングしても、そんなに大きな音は出ませんね。
ほどほどで大丈夫です。
ハミングしているとき、前歯や鼻の前辺りや、眉間やおでこに声が響いていますか?
裏声は、頭のてっぺんから出るイメージで出すのがいいですよ。
ハミングしている時も、おでこからすこし上げて、頭のてっぺんも意識してみてください。
そして、ゆっくり口を開けます。
ハミングする前よりも、強い裏声に変化していませんか?
顔の骨などが、ハミングしたことにより、さっきよりよく響くようになったのです。
ハミングは裏声を鍛える、とても有効な練習方です。
どの辺がよく響いているのか、意識してチェックしながら行うといいですよ。
また、お気に入りのファルセットがうまい歌手の歌い方を、コピーしてみるのもいいです。
どこで息を吸うのか、どの音で地声と裏声が交差するのかも、しっかり聴いて真似てみてください。
自分の歌を録音して、冷静に聴いてみるのもオススメです。
変な声になっていないか、引っ掛かりのない伸びやかな声になっているか、
自分で客観的に聴いて、歌い方を試してみましょう。
まとめ
男性歌手のファルセットヴォイスはやさしく、切なく、色っぽいので、男性のみなさんにはぜひマスターしてほしいと思う歌唱法です。
地声と裏声の歌い方の違いを知って、声帯のしくみを理解して練習しましょう。
「ハミング」がファルセットの練習にとても有効である。
のどは見えないので、なかなか理解がむずかしいですが、いろんな歌い方を試して研究してください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。