声の倍音とは?倍音の種類で分類される歌手や歌唱法を紹介

倍音歌手 ボイトレ

シンガーソングライターでボイストレーナーの岡部真由美です。

 

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「倍音」という言葉、聞いたことがありますか?

声の成分を構成する、周波数のことです。

人はそれぞれ、骨格や背の高さや声帯の厚さなどが違うので、声も違います。

また、響かせている周波数も異なるため、出ている倍音もそれぞれ違います。

声の種類は「生まれつき備わったもの」です。

しかし、年齢とともに変化もしていきます。

若い頃はみんな、高くて細い声を出していますが、年とともに、低く、深く、なっていきます。

私も20歳前後のころは自分の声があまり好きになれなくて、

「太くて、深くて、パンチのある声にするにはどうすればいいのだろう!?

と、研究していました。

「そうだ!もっと太ればいいんだ!」と考えましたが、すぐには太れません。

やはり、人種が違うので、骨格や筋肉や声帯の分厚さも全くちがうんだということに気が付きました。

その人特有のナチュラルな倍音以外、違う倍音を出すことはむずかしいのです。

しかし発声練習で、人それぞれ特有の倍音を「強調」することはできます。

「いい声」の持ち主は、天から授かった「ギフト」ですから、

そういう「のど」を持って生まれてきた人は、ぜひしっかり磨いてください。

倍音は、低い方の声のイメージがありますが、低かったり太かったりするだけを倍音と呼ぶのではありません。

高い方の周波数を出すことも雑音も、すべて倍音です。

さまざまな倍音の特徴によって、何種類かの歌手に分けられることがわかったので、

今回は詳しい倍音の世界を、歌手別に解説したいと思います。

 

倍音といっても、実は2種類ある

倍音にはその字のごとし、オクターブごとに倍、倍、倍と伸びる周波数がある。

・整数次倍音(せいすうじ ばいおん)

倍、倍、と伸びる周波数のことですが、実は正確に倍というわけではなく、高めであったり低めであったりと、揺らいでいる。

この倍音の成分を持つ声の持ち主は、真ん中あたりの音程を歌っていても、オクターブ上やその上の周波数も同時に響いているので、

声がシャキッとキリッと聴こえて気持ちがいい。パワフルで強い印象を受ける。

B’zの稲葉浩二さんや、浜崎あゆみさんもこのタイプ。

白人男性歌手にも多いです。

 

倍、倍と伸びるオクターブの周波数以外の雑音のような音すべても、倍音という。

・非整数次倍音(ひせいすうじ ばいおん)

倍、倍、と伸びる周波数以外をこう呼びます。

こちらはハスキーボイスと呼ばれる人の声や、ウィスパーボイスのような歌い方をするときにも聞こえてくる倍音で、

ザラザラしたような、ザーっというような音の種類で、

味のある、感情を表現するときにもとても有効な成分です。

ドリカムの吉田美和さんや、桑田圭祐さん、ATSUSHIさん、AIさんもこちらのタイプ。

ブルー・ノマーズや、ジャスティン・ビーバー、ファレル・ウイリアムスもこちら。

 

ホーミーや合唱、ゴスペルなど歌唱法の違い

モンゴルの人たちが歌う「ホーミー」という歌を知っていますか?

ある一定の音を歌っていると、別の音程が同時に聞こえてくる、歌唱法です。

これは、練習すればだれでもできるようになるのでしょうか!?

以前テレビで、ユーミンが現地でモンゴルの人たちとホーミーを歌っていたのですが、

ユーミンは簡単に、ホーミーを再現して歌っていて驚きました。

私もかつて、風邪を引いてのどが枯れてしまったときに偶然、できたことがありましたが、、、。

すごい技術ですよね。

 

合唱のように、大勢で歌うときは

自分の声だけが目立つのではなく、

みんなの歌がひとかたまりになって聞こえるように、

芯のないような、ふんわりした、ぼやっとした声で歌うのがいいのです。

倍音ができるだけ出ないような、きれいな音「純音」で歌うことによって、

ホールなどの会場によく響き、まとまりのある厚みのある音になっていきます。

純粋な歌声に心が癒され、引き込まれ、感動させられるんですよね。

 

「ゴスペル」は合唱とは全く違う

倍音をそれぞれが出し合い、ぶつけ合って交じり合うような音楽です。

とても感情的な歌唱法で、

ソロを歌う人は特に、どんどん盛り上がっていきますし、

バックで大勢で歌う人たちも、心の叫びのように「元気いっぱい」歌います。

また手拍子でリズミカルに表現します。

それぞれの倍音が重なり合って、分厚いうねりのような音になっていきます。

黒人の人たちの教会で生まれた、宗教音楽です。

 

楽器の違いは倍音の違い

倍音と呼ばれる周波数には、波形があります。

さまざまな楽器がありますが、その楽器の出す音は、その波形によって分類されます。

ヴァイオリンにはヴァイオリンの波形があるので、その音だとわかります。

また、フルートにも特有の波形があるように、

すべての楽器にはその楽器とみんなが認識できる、独特の波形が存在するのです。

その波形がなくなったら、音程がわかっても、どの楽器の音なのか、特徴がないのでわからないでしょう。

シンセサイザーなどの電子楽器には、人工的な波形が何種類も用意されていて、

その波形を変化させることによって、音作りができ、音色を選択できます。

機械的な波形と、管楽器や弦楽器などのアコースティックな楽器の波形とは全く異なります。

機械的な波形は変化が一定なので、飽きるんですよね。

しかし、アコースティックな楽器のゆらぎは一定ではありません。

演奏する人によってもゆらぎが変わり、幅広く変化し、飽きることがありません。

 

今はスマホのアプリで、自分の声の倍音(周波数)を知ることができます。

自分の声の成分を知って、選曲するのもいいですよ。

方向性や長所もわかりますね。

あなたの声の倍音、ぜひチェックしてみてください。

 

まとめ

声の倍音とは、周波数である。

人それぞれ、声から出ている倍音が異なるため、歌の印象が違う。

歌手の中でも、倍、倍、とオクターブの周波数を出している人と、

オクターブ以外にも雑音的な、ザラザラとはっきりしない周波数を出している人がいる。

それぞれの歌手はアプローチが違い、聞く人もどちらのタイプが好きか、好みが分かれる。

倍音を生かしたさまざまな歌唱法があり、培われてきた歴史や文化を感じる。

自分の声の倍音(周波数)を知って、もっともっといい声になるように磨いていってください。

最後までお読みくださり、ありがとうございました。

 

 

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