シンガーソングライターでボイストレーナーの岡部真由美です。
歌が歌いたいけれど、自分は音痴だから、、、
と、歌にまったく自信のない方がいますね。
親から「自分が音痴だから、あなたもきっとそうだろうね~」と、子供のころに言われたことを真に受けて、
本当に音痴になってしまう人もいます。
また、心ない誰かに「へた!」と言われてとても傷ついてしまい、歌うことから遠ざかった人もいるでしょう。
「音痴」にも程度があって、中には音が高いとか低いとかも分からない人がいます。
そういう人は子供のころに、歌うことをやめてしまったかもしれません。
音痴の原因はなんでしょう?
大脳中枢の音楽中枢というところが発育不全という、本質的な音痴の人が何万人かに一人いるらしいです。
でもそういう人以外の「音痴」は、聴こうとする耳の「良し悪し」です。
トレーニングで必ず直ります。
子供のころに音感が自然と育った人と、音楽の授業以外まったくふれずに育った人とでは、
脳の感覚的な部分が違います。
それは、運動が得意な人と、そうでない人がいるように、
好きで子供のころにたくさん経験したか、きらいで全くしなかったか、
また性格にもよるでしょうし、趣向でも大きく変わります。
しかし大人になって、嫌いな食べ物が好きになることもあるように、
歌うことに全然興味がなかった人も、大人になって急に好きになる人もいます。
今回は、「音痴かも!?」と思っている人への、克服法をお伝えします。
耳を育てる3つのトレーニング法
①-音楽の演奏部分を楽器別に聴いてみる
耳の聞こえる人は誰でも、音楽が流れていると聞こえます。
でも実は、音楽を聞いていても、「歌やメロディーだけを聴いている」ということがあります。
その音楽の中には、ドラムなどのリズムがあり、ベースがあり、ギターがあり、キーボードの音もあり、と
さまざまな楽器の音が組み合わさってできていますよね。
そういう演奏部分の音を聞いているつもりでも、実は聞いていない場合があるんです。
「それぞれの音に注目して聴く」ということを心がけてみましょう。
集中していないと、すぐにいつものように「全部まとめて聞く」聴き方になってしまうでしょう。
でも少しづつでも、ドラムのリズムだけを集中して聴いてみよう!とか、
ベースラインだけを聴いてみよう!というように、楽しんで聴いてみてください。
するとだんだん、ひとまとまりで聞いていた演奏が別々に分かれて聴こえてきます。
その時、あなたの耳が育ってきたのです。気付くことで、どんどん耳が良くなります。
②-ドレミファソラシドという音階の階段を確認する
音には「ドレミファソラシドという音階の階段」があります。
小学校の授業でも習うし、みんな知っていることですね。
でも、その音の幅がしっかり把握できていない場合が多々あります。
キーボードを使って、正しい音階の幅をしっかりと頭に入れる必要があります。
人間は機械ではないので、誰でも多少は「ずれ」ます。
中には子供の頃に特別な教育を受けて、「絶対音感」という絶対的な音感を身につけている人もいますが、
それ以外の人はみんな、自分の中に「ドレミファソラシドの音階」をインプットして、
正しく歌う努力をしているのです。
歌いながら、演奏と自分の音が合っているかを常に確認しながら、みんな歌っています。
ですから、正しいドレミファソラシドの音階がわかっていない人は、
演奏と自分の音が合わせられないので、はずれていても修正できずに「音痴」と言われてしまうのです。
今日から毎日5分間、キーボードの正しい音階と一緒にドレミファソラシドを歌いましょう。
いきなり歌い出さずに、正しい「ドレミファソラシド」の音をよく聴いてから歌いだしてください。
この練習で、正確な音の階段を耳から脳にインプットし、覚えさせましょう。
何歳からでも脳は進化し、育ちます。
自分の体や脳を鍛えることは、心にもとてもいい影響があります。
人間は成長するために生まれてきているのですから。
自分のまだ不完全な部分に注目し、努力して開発し、克服できたら、
素晴らしい達成感があなたを幸せにしてくれるでしょう。
あきらめないで、やってみてくださいね。
③-さまざまなジャンルの音楽を聴いて楽しむ
音楽は「音を楽しむ」ものですよね。
さまざまな音楽を聴き、好きな曲を見つけて、楽しんで繰り返し聴きましょう。
お気に入りの曲のリズムや演奏をじっくり聴いていると、体の中にしみこんでいきます。
どんどんしみこんでいくと、音感もだんだん育っていくでしょう。
今までのあなたは、「音楽は苦手なもの」として遠ざかっていたかもしれませんが、
気持ちや考え方が、「音楽はとても気持ちがいいもの、大好き!」というように変われば、
あなたの脳のメモリーがとんどん新たに、良い方に書き換えていくでしょう。
音楽が今まで楽しめなかった人も、心が解放されて音楽に身をゆだねて、
心から楽しめるようになっていきます。
すると、音感もどんどん良くなり、耳も良くなり、あなたの歌はぐんぐん上達していくでしょう。
好きな曲、楽しい曲をたくさん聴いてくださいね。
リズム音痴を克服するには
メロディーが正しく歌えない「音痴」さんのほかに、「リズム音痴」さんがいます。
こういう方も、子供のころにまったくリズム感を養う機会がなかったんだな~とかわいそうに思います。
子供のころは「右脳」が優位なので、すべて感覚的に覚えたり把握できたりするのですが、
大人になると「左脳」が優位になるので、しっかり「なぜそうなるのか」という理由や、リズムの意味を図式などで解説されると腑に落ちて、理解できます。
■ リズム感をよくするための練習法 ■
まずは、1~2~3~4~と4分音符のゆっくりしたカウントからスタートします。
One~ two~ three~ four~とカウントするのが慣れてきたら、One とtwo の間にand を入れます。
One and two and three and four and 、、、と繰り返し言ってみます。
and と言っている場所が、「裏リズム」と言って、リズムの大切なところです。
メトロノームやスマホのアプリなどを使って、リズムをよく聞き、速くなったり遅くなったりしないように、気をつけながら行ってください。
このリズム練習も、身体にしみこむまで、繰り返し行ってください。
and と言っている「裏リズム」にアクセントがついてきて、身体も動いてくるようになったら、
かなりリズム感が良くなってきています。
声でリズムがスムーズに言えるようになってきたら、
and のところに手拍子を入れてみてください。
最初はぎこちないかもしれませんが、だんだんと慣れて、自然と裏で(裏リズムで)手拍子ができるようになっていきます。
ゆっくりしたテンポからじっくり練習してみて下さいね。
■ 曲での練習 ■
息を吸うタイミングを確認することが大切です。
原曲の歌手の歌い方をしっかり聴いて、
・どこで息を吸っているか(ブレス)
・どこまでフレーズとして続けて歌っているか
などをよく知ると、リズムをキープして歌えるようになります。
音痴の人がカラオケで気を付けること
まず、キーが合ってない人がほとんどです。
自分のレンジ(声の出る範囲)を知って、確認する必要があります。
キーボードを使って、自分の声の出る範囲を調べましょう。
もし、自分で音があっているかどうか分からない場合は、家族や友達に頼んで手伝ってもらいましょう。
自分の声の出る範囲が低めなんだ!とか高めなんだ!ということがわかることが大事です。
その範囲がわかったら、自分の歌いたい曲の原曲のメロディーをキーボードで確認して、
自分が歌うなら何こ下げなければならないか、上げなければならないかを調べます。
この作業はじっくり行わないといけないので、
時間のあるときに自宅でするか、一人カラオケの時など、ゆっくり取り組める環境で行ってください。
自分のキーを知ることはとても重要です。
また最初、ちんぷんかんぷんだとしても、この作業も耳を鍛えることになります。
あきらめないで、自分の耳を育てましょう。
音階の階段を確認することにもつながり、音感が良くなっていきますよ。
自分の声に合ったキーで歌えると、ぐーんと歌がよくなり、音痴じゃなくなります。
もっともっと、歌うことを楽しめますよ。
めんどくさがらずに、がんばってくださいね。
まとめ
まずは自分の耳を育てていきましょう。
今までぼんやり聞いていた音楽を、それぞれの楽器に注目して聞くことによって、
それまで聞こえていなかった音や気づかなかった音も聞こえるようになってきます。
また、正しい音階を知ることも大切です。必ずキーボードなどで確認して、脳にインプットしてください。
自分の好きな音楽を繰り返し聞いて、音楽のシャワーを浴び、身体にしみこませましょう。
あなたの音感がどんどん育っていきますよ。
リズム音痴さんも、繰り返しリズム練習をして、リズム感を育てていきます。
リズムの感覚がわかれば、どんどん楽しくなって身体も動き出すでしょう。
「楽しい♡」という感覚が一番大事です。楽しんでくださいね。
自分のキーを知って、いくつ下げるか、上げるかするとぴったりと歌えるかを調べましょう。
キー合わせはじっくり時間をかけて、行ってくださいね。
音痴もリズム音痴も必ず克服できますよ!!
あきらめないで、楽しんで自分の耳や感覚を育ててください。
最後までお読みくださり、ありがとうございました。